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ランニングでアキレス腱が痛いときの原因と走りながら治す方法

目次

朝の一歩目で分かる、痛みの段階

ベッドから足を下ろした最初の一歩。かかとの少し上がギシッときしんで、思わず壁に手をつく。あの感覚、心当たりがある人は多いはず。

アキレス腱の状態を測るのに、この朝一歩目はよくできた物差しです。

歩き出して数分でほぐれて消えるなら、まだ浅い段階。走り始めは痛むけれど途中で気にならなくなり、走り終えてしばらくしてまた戻ってくる。これも同じ層。

朝のこわばりが十分以上続く。日中も歩くたび気になる。走っている最中ずっと痛い。ここまで来ると層が一段深い。

階段を下りるとき、しゃがむとき、地面を蹴るとき。痛みが出る場面が増えていくのは、負荷に耐える余力が減っているサインです。

正直言って、多くの人はここを見誤ります。走っているうちに痛みが消えるから大丈夫だと判断してしまう。あれは治ったのではなく、温まって感覚が鈍っているだけ。走り終えて座り、立ち上がった瞬間のズキンで現実に引き戻される。

走るとアキレス腱が痛くなる理由は距離ではない

距離を増やしたから痛くなった。そう考える人がほとんどですが、腱が悲鳴を上げるきっかけは総量そのものより変化の速さにあります。

先月まで週三十キロだった人が、いきなり週五十キロへ跳ねる。坂道練習を突然メニューへ入れる。ロードからトラックへ舞台を移す。シューズを厚底から薄底へ替える。ペース走の割合を一気に増やす。

腱は筋肉より血のめぐりが少ない組織です。回復に時間がかかる。筋肉が三日で戻る負荷を、腱は一週間かけて処理している。そのずれを無視して積み上げると、筋肉は元気なのに腱だけ置いていかれる。

もう一つ、見落とされがちなのが足首の可動域。しゃがんだとき、かかとが床から浮く人。あれは足首が上へ曲がる動きが浅い証拠です。曲がらないぶん、着地のたびに腱が引っ張られる角度がきつくなる。

ふくらはぎの片側だけが極端に硬い人もいます。内側と外側で張り具合が違うと、腱にねじれの力が加わる。左右どちらか一方だけ痛む人は、ここを疑ってみてください。

以前、記録が伸び始めた時期に急に痛みを訴えた方がいました。調子がいいから練習量を増やした。増やせたのは心肺と筋肉が先に強くなったから。腱がまだ追いついていなかった。

押した場所で見えてくるもの

指で軽くつまんで確かめてみましょう。座って、足の力を抜いた状態で。

かかとの骨から指二本ぶんほど上、腱の真ん中あたりに痛みが集中するタイプ。ここは血のめぐりが特に乏しい区間で、繰り返しの負荷が溜まりやすい場所として知られています。改善に時間はかかるものの、伸ばす動きと段階的な負荷で手をつけやすい。

かかとの骨との付け根が痛むタイプ。骨と腱の境目で、靴の履き口が当たると痛みが増します。強く伸ばす動きが逆効果になりやすいのがこちら。深くしゃがみ込む動きや、段差からかかとを落とす動きで悪化する人がいます。

腱の周りがゴリゴリ、あるいはギシギシと軋むような感触がある場合は、腱そのものより周囲の膜が反応している状態のことも。

太くなっている、しこりのようなふくらみを触れる。左右を比べて明らかに形が違う。これは自分で処理する範囲を超えています。

走っていい日、やめる日の線引き

ここがいちばん知りたい部分でしょう。

走ってもいい目安。朝のこわばりが数分で消える。走り出しの痛みが十段階でいうと二から三程度で、走っている間に増えない。走り終えて翌朝、前日より悪化していない。

やめる日。走っている最中に痛みが増していく。かばって走り方が崩れる。走り終えて翌朝、明らかに悪くなっている。片足でつま先立ちができない、あるいは痛くてできない。

この翌朝の比較が肝心です。走った直後の感覚ではなく、一晩たった状態で判断する。腱の反応は遅れて出ますから。

やめる日でも、完全に動かないほうがいいわけではありません。歩く、自転車をこぐ、水中で動く。腱に体重の衝撃を落とさない形で血をめぐらせておくほうが、回復の道筋は整いやすい。

痛みをこらえて走った翌日、階段を下りるのが怖くなった。そんな経験をした人は、あの一回で何週間ぶんか失っています。

走る前と走った後にやること

走る前。冷えたまま走り出すのがいちばん危ない。歩きから始めて、じわじわペースを上げる。いきなり伸ばすより、動かして温めるほうを優先します。

その場で軽く弾む動きを二十回ほど。足首をゆっくり回す。かかとの上げ下ろしを痛みの出ない範囲で。ここで無理に強く伸ばすと、走り出しで持っていかれます。

走った後。落ち着いてから伸ばす動き。壁に手をついて片脚を後ろへ引き、かかとを床につけたまま体を前へ。膝を伸ばした形で二十秒、次に膝を軽く曲げて二十秒。曲げたほうは腱に近い深い層へ届きます。

段差にかかとを乗せて体重で落とす伸ばし方は、付け根が痛むタイプの人には向きません。真ん中が痛むタイプなら使える場面があります。自分がどちらか分からないうちは、床の上で行う形に留めてください。

そして、この先が本題。

腱を強くするには伸ばすだけでは足りない。かかとの上げ下ろしを、ゆっくり下ろす動きに重心を置いて行います。両足でつま先立ちになり、片足に体重を移してから、五秒ほどかけてゆっくり下ろす。この下ろす局面が腱に働きかけます。

痛みが十段階で三を超えない範囲で。翌朝に響かない量から始める。一日置きくらいの間隔で。焦って毎日詰め込むと、負荷が積み上がるだけで終わります。

練習量の戻し方、ここで焦ると振り出しへ

痛みが引いてきた。ここが最大の落とし穴です。

腱の痛みが消えた時点で、組織の状態は元通りではありません。痛みは先に消える。強度が戻るのは後から。この時間差を知らずに元の練習量へ一気に戻して、二週間後にまた同じ場所を痛める。この往復を三回繰り返した人を見たことがあります。

戻す順番があります。まず距離。ペースは元のままか、それより落として、走る距離を段階的に伸ばす。距離が戻ってから速さへ手をつける。坂と、地面を強く蹴るような練習は最後。

週ごとの増やし方は控えめに。前の週より少し増える程度で十分です。増やした週の翌朝、こわばりが伸びていないか確認する。伸びていたら一段戻す。

大会が近い人ほど、この階段を飛ばしたくなります。飛ばした結果、当日走れなくなるのがいちばんつらい。走れる状態で並ぶことを優先してください。

シューズと路面、練習内容の見直し

シューズのかかとの高さが、腱にかかる引っ張りを左右します。かかとが低いモデルほど、着地で腱が伸ばされる幅が大きい。薄底へ移行した時期に痛み始めた人は、そこが引き金の可能性がある。

履き口の縁が腱に当たっていないかも確かめてください。付け根が痛むタイプの人は、この当たりで炎症が長引くことがあります。

すり減り方も見ておきましょう。左右で減り方が違うなら、着地の癖が偏っている。同じシューズを長く履き続けて、クッションが潰れたまま走っているケースも珍しくありません。

路面では、傾いた道を毎回同じ向きで走る人が要注意。片側だけ足首の角度が変わり続けます。折り返して同じ道を戻れば相殺できるので、コース取りを少し変えるだけで負担が散ります。

坂道の下り。ここは腱への負担が跳ね上がる場面です。痛みが残っている期間は、下りの多いコースを外しておくほうが無難です。

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【免責事項】
この記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、医療的な診断・治療を代替するものではありません。体型改善・ダイエットを目的とする場合は、医療機関や専門家への相談をおすすめします。体の不調が続く場合は、医療機関への受診を優先してください。
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