グキッといった瞬間の音は、しばらく耳に残るもの。 一週間ほどで腫れが落ち着いて、普通に歩けるようになった。ただ、階段を下りる時に一瞬ぐらつく。走るのはまだ怖い。 これは治ったのか、途中なのか。判断がつかないまま日が過ぎていく…。
治るまでを、三段階で考える
一つ目、痛みと腫れが引くまで。 二つ目、日常の動作が普通に戻るまで。歩く、階段、しゃがむ。 三つ目、同じことを繰り返さない足首に戻るまで。
多くの人が一つ目でゴールテープを切ってしまいます。痛くない、腫れていない、だから終わり。 実際に厄介なのは三つ目で、ここを飛ばした人が半年後にもう一度グキッとやる。捻挫を繰り返す方の話を聞くと、たいてい同じところで終わらせています。
日数の目安
靭帯が伸びた程度なら、二週間から三週間ほどで日常に戻れることが多い。 部分的に切れていると、一か月から一か月半。スポーツ復帰はさらに先。 完全に切れている場合や骨に問題があれば、医療機関の管理下で数か月単位の話になります。
この差は見た目では分かりません。腫れの大きさと重さは必ずしも一致しないので、初期に一度診てもらう価値があります。 自己判断で軽いと決めつけた人ほど、後から長引く。ここは経験上はっきりしています。
最初の三日で、その後が変わる
腫れは体の反応であって敵ではありません。ただ、広がりすぎると回復の邪魔になります。
冷やす。十分ほど当てて外し、時間をあけてまた当てる。 弾性包帯などで軽く圧迫する。きつく巻きすぎて指先の色が変わるようなら緩めてください。 心臓より高い位置に足を上げる。座っている時も、椅子をもう一脚使う。
その一方で、まったく動かさない期間を長く取るのは避けたい。痛みの出ない範囲で足指を動かす、足首をそっと上下させる。この程度は初日から続けます。 固めて安静にするほど早く治る、という考え方は、今はあまり支持されていません。
お風呂は初日から数日、長湯を避けて。温まった後に腫れが増した経験がある方は多いはず。
骨折を見逃さないために
・足をついて体重をかけられない ・くるぶしの骨の際を押すと、狭い一点に強く響く ・見た目に変形がある ・広い範囲に紫色の内出血が出た ・足先のしびれや冷たさ、色の変化 ・子どもの捻挫
このどれかがあるなら、まず整形外科へ。骨に問題がないと分かってから進める方が、結果として近道になります。 歩けるから骨は大丈夫、とは言い切れません。歩けてしまう骨折もあるので。
腫れが引かない、夕方にパンパンになる
数週間たっても夕方に腫れる。これはよくある経過で、必ずしも悪化ではありません。 立っている時間が長いほど、水分は下へたまります。日中に働いて、夜に戻る。そういうリズム。
夜、寝る時に足元へクッションを入れて少し高くしておく。翌朝の状態が違ってきます。 足首を動かす回数を増やすのも手。ふくらはぎが動くと、下にたまったものが戻りやすくなる。
ただし、腫れが日ごとに大きくなっている、熱を持っている、痛みが強まっている。この場合は経過が違う方向へ進んでいるので受診を。
痛みが消えても、まだ終わっていない理由
靭帯には、関節の位置や傾きを感じ取るセンサーの役目もあります。捻挫でそこが傷むと、足首が今どうなっているかの情報が脳に届きにくくなる。
段差でグラッとした時、体は一瞬で立て直しています。あの反射が鈍ったまま生活に戻ると、次に足首がひねられた時に間に合わない。 繰り返す人の足首を触ると、靭帯そのものより、この反応の鈍さの方が目立ちます。
痛みは数週間で消えます。センサーの回復はもっと後。ここに時間差があることを知らないと、復帰の判断を誤ります。
復帰の判断は、動作で決める
日付ではなく、できることで区切ると分かりやすい。
痛みなく普通に歩ける。左右で歩幅が変わらない。 階段を下りられる。上りより下りの方が難易度が高いので、こちらで見ます。 つま先立ちが両足でできる。次に片足で。 片足立ちが二十秒。安定してきたら目を閉じて十秒。 その場で軽く跳ぶ。着地でぐらつかない。 最後に、方向転換を含む動き。
一つずつ通してから次へ。翌日に腫れや痛みが出たら、一段戻る。この上り下りができる人が、結局は早く戻ります。
再発を止めるのは、バランス訓練
やることは驚くほど単純。片足立ちです。
まず両手を離して二十秒。できたら目を閉じて。 次に、クッションや畳んだバスタオルの上で。不安定な足場だと、足首は細かく調整を続けます。この調整こそが訓練になる。 慣れてきたら、片足で立ったままボールを投げてもらう、片手で物を取る。注意が別の場所へ向いた状態でも足首が働くように。
一日一分で構いません。歯を磨きながらでも。 この地味な作業を入れた方と入れなかった方で、その後の一年に差が出ます。三回捻挫を繰り返していた方が、これを続けてからぱたりと止まった例もありました。
テーピングとサポーターを、いつ外すか
復帰の初期に使うのは理にかなっています。まだ反応が戻り切っていない足首を、外側から補助する。 問題は、外すタイミングを決めずに使い続けること。
支えられている間、足首は自分で頑張る必要がありません。長く頼るほど、センサーの出番が減っていく。 運動する時だけ、あるいは不整地を歩く時だけ。場面を限定して、日常では外していく。片足立ちが安定してきたら、外す範囲を広げる。
この線引きを決めておかないと、一年後も巻いたままになります。
治るまでの生活で、気をつけること
靴。かかとが安定して、紐やベルトで足首側を留められるものを。サンダルやゆるい靴は、足首が中で泳ぎます。 階段。下りは手すりを使う。急ぐ場面ほど、足首は不意打ちを受けます。 運転。右足なら、ペダル操作に不安がある間は控える判断も要る。 仕事。立ち仕事なら、休憩のたびに足を高くする。座り仕事なら、足を組まない。
かばって歩く癖にも気を配りたい。外側を引きずる歩き方が続くと、膝や腰へ順番に負担が回ります。歩幅を狭くして、足裏全体で着く。痛みが引いた後もしばらくは意識したい。
一か月たっても変わらない時
痛みの位置が変わらず、腫れも引かず、体重をかけると不安が残る。この状態で粘るのは得策ではありません。 靭帯の緩みが残っているのか、別の場所に原因があるのか。画像で確認してもらった方が、もやもやしたまま過ごすより気持ちも楽になります(笑)。
繰り返している足首も同じ。三回目からは、運が悪いのではなく条件が残っている状態。
戻る日は、日付ではなく動作が決める
治るまでの日数を検索した方が本当に知りたいのは、いつ元の生活へ戻れるか。 その答えは、カレンダーではなく足首が出します。片足で二十秒立てるか。階段を怖がらずに下りられるか。
痛みが消えた日にゴールを置くと、半年後にもう一度同じ場所で転びます。 逆に、地味なチェックを一つずつ通した足首は、次に段差を踏み外した時、勝手に踏ん張ってくれる。

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