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転んで手首が痛い時の対処|骨折を見逃さない確認と受診の目安

濡れたタイルで足が滑って、とっさに手をついた。その瞬間、手首にズキン。 指は動く。しばらくすると、手の甲がふっくら腫れてきた。骨折なら動かせないはずだから、たぶん捻挫…そう思いたい気持ち、よく分かります。

ただ、手首は、骨が折れていても指や手首がある程度動いてしまう場所。今日の判断ひとつで、元に戻るまでの道のりが大きく変わることもあります。手をついた時に、手首の中で何が起きやすいのか。そこを知っておくと、迷う時間が短くなります。

目次

手をついて転ぶと、力はどこへ集まるか

転ぶ瞬間、手は反射的に前へ出ます。手のひらで地面を受け、手首は大きく反った形。そこへ体重と勢いが一気にのしかかる。

傷みやすい場所は、いくつかに分かれます。 一つは、前腕の親指側の骨の、手首に近い端。転んで手をついた時の骨折で、よく起きる場所です。 もう一つは、手首の親指側にある小さな骨。舟状骨と呼ばれる骨です。 小指側の、軟骨と靭帯が集まったクッションの部分も、痛みの出どころになりやすい。 そして、衝撃が手首を越えて、肘や肩まで届く場合も。

動かせるから大丈夫、は通用しない

指が動く、手首も少しなら曲がる。だから折れていない。この判断で様子を見る方が本当に多い。

骨にひびが入った程度なら、動かせてしまいます。ずれのない骨折も同じ。痛みを我慢すれば、スマホだって操作できる。 腫れの大きさも当てになりません。見た目はほとんど腫れていないのに、画像を撮ったら折れていた。そういう話は珍しくない。

手をついて転んだ翌週に、手首が痛いまま相談に来られた方がいました。仕事はパソコン作業で、動かせるから平気だと思っていたそうです。整形外科を勧めて画像で確かめてもらったところ、骨にひびが見つかった。まさか、と本人がいちばん驚いていました。

痛みの強さも同じで、我慢強い人ほど軽く申告してしまう。動かせるかどうか、腫れているかどうかより、どこを押すと痛むか。そちらの方が、よほど多くを教えてくれます。

転んだ直後にやること

まず、その手を使うのをやめる。荷物は反対の手へ。

指輪、腕時計、ブレスレットは、腫れる前に外しておきます。後から腫れてくると抜けなくなり、指の血の巡りを妨げることがある。ここは何より急ぎたい!

冷やす。保冷剤や氷を袋に入れてタオルで包み、十分ほど当てて外す。直接肌に当て続けないこと。 心臓より高い位置に上げる。座ったら、クッションや机に腕を乗せて手の方を高く。

動かないように支える。雑誌や段ボールを手首の下に当て、タオルで軽く巻いて添え木にする。手首は無理にまっすぐにせず、いちばん痛みの少ない角度のまま。スカーフや大きめの布で腕を吊ると、歩く時の揺れが減ります。 市販のサポーターをきつく巻くのは避けたい。腫れが進むにつれて、締めつけが強くなりすぎるので。

形が明らかに曲がっている時は、戻そうとしないでください。そのままの形で支えて、受診へ。

その日のうちに受診したいサイン

・手首の形が曲がっている、段差がある

・腫れが強く、見る間にふくらんでくる

・指先がしびれる、色が白っぽい、冷たい

・痛みで指を握れない、物を持てない

・時間とともに痛みが強まっていく

このどれかがあるなら、その日のうちに整形外科へ。夜間や休日なら、救急の相談窓口や救急外来に連絡を。

受診までに確かめておきたいこと

強い症状がなく、翌日の受診を考えている。その場合でも、今のうちに確かめておくと役に立つことがあります。

・親指を立てた時にできる、手首の付け根のくぼみを押すと痛む

・ドアノブを回すような動きで、小指側が痛む

・コップを持ち上げられない、握る力に左右差がある

・夜になって、痛みが増してきた

くぼみは、反対の手の親指でゆっくり押せば足ります。強く押し込む必要はありません。軽い圧で鋭く響くなら、それだけで十分な情報です。

一つでも当てはまるなら、軽く見えても受診を先延ばしにしない方がいい。どの動きで、どこが痛むか。そのまま医師に伝える材料にもなります。

受診の時に伝えると話が早いこと

転び方は、診察の手がかりになります。手のひらからついたのか、手の甲側で受けたのか。自転車や階段など、勢いのある転倒だったかどうか。 いつ転んだか、いちばん痛む場所、しびれの有無。以前に同じ手首を痛めたことがあるかも添えて。

痛みで頭が回らない時ほど、うまく説明できないもの。スマホのメモに書いておけば、限られた診察の時間でも慌てずに済みます。

親指側の付け根の痛みは、軽く見ない

舟状骨は、親指の付け根の奥にある骨。手首の骨の中でも、転倒で折れやすいもののひとつです。厄介なことに、最初のレントゲンでは、はっきり写らない場合もある。

しかもこの骨は、血の通い方が限られています。見逃されたまま使い続けると、くっつきにくくなるおそれがあるんです。捻挫だと思って過ごし、痛みが引かずに改めて調べたら折れていた。そんな経過をたどる方がいるのは、このため。

くぼみを押して痛む状態が残るなら、最初の検査で異常がなくても油断は禁物。固定をして、日をあけてから再確認する。別の検査を加える。そんな流れになることもあります。 捻挫と言われた後も、ここの痛みが続く時は、遠慮せずにもう一度受診を。

小指側の痛みが長引く時

小指側には、骨と骨の間でクッションの役目をする軟骨と、それを支える靭帯が集まっています。手をついた衝撃は、ここにもかかります。

ドアノブを回す、タオルを絞る、椅子の座面を押して立ち上がる。こうした動作で小指側に痛みが走る。動かした時に、引っかかる感じや音がすることも。

骨に異常がないと言われた後も、この痛みが数週間続くなら、整形外科で相談してみてください。無理に回したり、体重をかけたりして確かめるのは避けたいところ。

数日のうちに見ておきたい変化

腫れは、転んだ当日より翌日以降に強くなることがあります。その後、日を追ってゆっくり引いていくのが普通の経過。 内出血の色が、手の甲から指の方へ広がってくることもある。重力で下へ移っていくもので、これ自体は経過の一部です。

気にしたいのは、流れに逆らう変化。日ごとに腫れがふくらむ、痛みが強まる、指のしびれが出てきた。こうなったら、予定を待たずに受診を早めてください。

様子見のまま過ごした人に、後から出てくること

転んでしばらくたってから相談に来られる方の話を聞くと、似た経過をたどっています。 最初の数日は痛かったけれど、動かせたので仕事を続けた。腫れもいつの間にか引いている。ところが、親指側の奥の痛みだけが残った。ペットボトルの蓋を開ける、手をついて起き上がる。そんな動作のたびに鋭く響く。

骨の異常が後から見つかると、治療が大がかりになることも。期間が延びる場合もあります。 早く受診して何もなかったなら、それは安心を買ったということ。後から見つかるより、ずっと軽い出費です。

自転車や、両手をついた転倒

自転車で転ぶと、ハンドルを握ったまま手首をひねったり、両手を同時についたりします。 痛みの強い側に気を取られて、反対の手首の異常に後から気づく。そんな例もあるので、両方の手首を同じように確かめておきたい。 スピードが出ていた、ヘルメットに傷がついた。こうした転倒では、手首より先に頭と首の状態を確認してください。

高齢の方の転倒は、骨の強さも関わる

年齢を重ねると、骨はもろくなりやすい。立った高さから転んだだけで、前腕の手首側の骨が折れることがあります。手首の骨折をきっかけに、骨の強さを調べる検査を勧められることも。

家族が転んだ時は、本人が大丈夫と言っても、腫れや痛みの様子を一緒に見てあげてほしい。我慢強い方ほど、受診が遅れがちです。 片手が使えない間は、着替えや調理、入浴で転びやすくなります。生活の手助けまで含めて考えておくと安心です。

子どもの手首は、腫れが小さくても油断しない

子どもの骨はやわらかい。きれいに折れるより、曲がったりつぶれたりする形で傷むことがあります。腫れが小さく、泣き止んで遊び始めても、骨に異常がある場合も。

手を使わなくなった、反対の手ばかり使う、触られるのを嫌がる。言葉でうまく訴えられない分、こうした様子がサインになります。 骨の端には、成長に関わる部分もあります。気になる時は、早めに整形外科か小児科へ。

手首だけを見ていると、肘や肩を見落とす

手をついた衝撃は、腕を伝って上へ抜けていきます。手首の痛みが強いと、そちらに気を取られて、肘や肩の痛みに気づくのが遅れる。

肘をまっすぐ伸ばし切れるか、腕を肩の高さまで上げられるか、鎖骨のあたりを押して痛まないか。 手首と一緒に、一度だけ確かめておいてください。

骨に異常がなかった場合の過ごし方

捻挫や打撲と分かったら、最初の数日は使う量を減らします。

熱っぽさがある間は、冷やす方向で。医師から固定具やサポーターの指示があれば、その範囲で使う。 ドアノブは反対の手で回す。椅子や床から立ち上がる時、手で体を押し上げない。重い鍋やフライパンは両手で、できれば誰かに任せる。 寝る時は、クッションの上に腕を乗せて手を少し高くしておくと、翌朝の腫れ方が違ってきます。

痛む一点を強く押したり、さすったりはしないこと。 痛み止めや湿布を使うなら、薬剤師に症状を伝えて選んでもらうのが確実です。受診前に痛みを抑えすぎると、どこが痛むのかを医師に伝えにくくなる場合も。

仕事や家事を休むかどうか

判断の材料は、痛みの強さより、手を使う量です。

片手で済む仕事なら、固定をしたまま続けられることもある。重い物を持つ、手をついて体を支える、細かい手作業が続く。こうした仕事は、痛む手を使わない段取りに変えるか、しばらく任せたい。 キーボードは、手首を反らせない高さに調整する。家事は、洗い物や雑巾がけのように手首をひねる作業から外していく。 利き手を痛めると、歯みがきやお箸にも苦戦するもの。

無理をして使った一日が、戻るまでの日数を延ばす。職場や家族に、今は使えないと先に伝えてしまう方が、結局は早く戻れます。

動かし始める順番

腫れが落ち着いてきたら、指から動かします。 手を大きく開いて、握る。一本ずつ曲げ伸ばす。ここは早い時期から続けておきたい。

次は、手首を上下へ、痛みの手前まで。肘を体の横につけたまま、手のひらを上に、下にと返す動き。 握る力は、丸めたタオルを軽く握って離すところから。 手をついて体重をかける動作は最後です。机に両手をついて、ゆっくり体重を乗せていく。ここで痛むなら、まだ一段前の段階。

翌日に痛みや腫れが増えていれば、やりすぎの合図。一つ前へ戻って、日をあけて進みます。

ギプスが外れた後のこわばり

骨折で固定していた場合、外した直後の手首は驚くほど硬く、細く見えることがあります。ヒヤッとするかもしれません。ただ、これはしばらく動かしていなかった分の反応。

リハビリの指示がある場合は、その内容を優先してください。自己流で強く反らせたり、重い物で鍛えたりするのは、許可が出てからに。 ぬるめのお湯の中で指と手首を動かすと、こわばりがほどけやすいと感じる方もいます。ここも、指示の範囲で。

次に転んだ時のために

雪や雨の日、ポケットに手を入れたまま歩かない。とっさに手が出ない分、顔や頭を打ちやすくなります。手首を守るより、頭を守る方が先。 滑りやすい靴底、段差の多い暗い道、急いでいる時。転倒の条件は、たいてい重なって現れる。 スケートボードやスノーボードでは、手首を守るプロテクターを。自宅なら、敷物の端や夜の足元の明るさを見直すだけでも違ってきます。

転んだ後の手首は、痛みの強さより、痛む場所とその後の経過の方がずっと正直です。 今日動かせたことより、親指側のくぼみに痛みが響くかどうか。その一点を確かめてから、今夜の過ごし方を決めてください。

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【免責事項】
この記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、医療的な診断・治療を代替するものではありません。体型改善・ダイエットを目的とする場合は、医療機関や専門家への相談をおすすめします。体の不調が続く場合は、医療機関への受診を優先してください。
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