施術を受けた後、体に内出血のような青いアザが出ていた。
痛みはそれほどなかったのに、翌日になって鏡で見たら背中や肩にくっきりとアザが。施術中は気持ちよかったのに、なぜこんなことになったのか。この記事では施術後に内出血が出る仕組み・原因・正しい対処法を、整体師の視点から整理していく。
施術後の内出血とは何か
体の中で何が起きているか
皮膚の下にあるアザ・紫色・青色の変色が内出血だ。
施術の圧によって皮膚の下の毛細血管が破損すると、血液が組織内に漏れ出す。この漏れ出した血液が皮膚の下に溜まり、外から青紫色・赤紫色のアザとして見える状態が内出血だ。
内出血は時間の経過とともに色が変化する。最初は赤〜紫色で、日が経つにつれて青・緑・黄色へと変わりながら吸収されていく。この色の変化は修復が進んでいるサインだ。通常1〜2週間程度で吸収されていくことが多い。
施術を受けた当日より翌日の方が内出血が目立つことがある。施術直後は皮膚表面への出血が少なくても、時間の経過とともに血液が周囲に広がって見えやすくなるためだ。
内出血が出やすい部位と出にくい部位
内出血が出やすい部位として、背中・腰・肩・太もも・ふくらはぎが挙げられる。これらの部位は筋肉が厚く・施術の圧が集中しやすい部位だ。
皮膚が薄い部位・皮下脂肪が少ない部位ほど内出血が見えやすくなりやすい。同じ圧でも内出血が出やすい方・出にくい方がいる背景には、毛細血管の強さ・皮下組織の状態・体質の違いがある。
施術後に内出血が出る主な原因
施術の圧が強すぎる場合
施術後の内出血で最も多い原因は、施術の圧が体の許容範囲を超えていることだ。
毛細血管は皮膚の下の筋肉・皮下組織の中に無数に走っている。この毛細血管が施術の過剰な圧によって破損することで内出血が起きる。特に親指・肘・道具を使った強い点圧が一点に集中した場合、毛細血管が破損しやすくなる。
施術中に痛みを感じていなくても内出血が出ることがある。感覚が鈍くなっている部位・筋肉が固くなっている部位では、毛細血管への負担が起きていても痛みとして感じにくいことがある。
毛細血管が弱い・体質の問題
同じ施術を受けても内出血が出やすい方と出にくい方がいる。この違いには毛細血管の強さ・弾力性の個人差が関係している。
毛細血管が弱くなりやすい状態として、加齢・栄養不足・慢性的な疲弊・長期の運動不足が挙げられる。皮膚が薄い高齢の方・体が細い方は特に内出血が出やすい傾向がある。
体質的に内出血が出やすい方は、施術前に施術者にその旨を伝えることが大切だ。
体調・薬の影響
血液をさらさらにする薬、いわゆる抗凝固薬・抗血小板薬を服用している方は、通常より内出血が出やすく・消えにくい状態になりやすい。アスピリンを含む解熱鎮痛薬の常用も同様の影響が出ることがある。
アルコール摂取後も毛細血管が拡張して内出血が出やすくなりやすい。施術前の飲酒は内出血リスクを高める要因になる。
疲弊・睡眠不足が続いている状態も毛細血管の回復力が低下しやすく、内出血が出やすい状態をつくりやすい。
内出血が出たときにやってはいけないこと
内出血部位を強くほぐす行為
内出血が出た部位を強くほぐそうとすることは、絶対に避けてほしい。
内出血が起きている部位はすでに毛細血管が破損した状態にある。この部位に再度強い刺激を加えると、さらに出血が広がりやすくなる。内出血を早く消そうとして強くほぐすことは、回復を遅らせる逆効果になる。
セルフケアとして内出血部位を強く押す・揉む・叩く行為もすすめられない。
温めること
内出血が出ている急性期に患部を温めることも避けてほしい。
温めると血管が拡張し、出血が広がりやすくなる。入浴・サウナ・ホットパックなど患部を温める行為は、急性期の内出血には逆効果になりやすい。
内出血が出たときの正しい対処
急性期の対処
内出血が出た直後・24〜48時間は冷却が合いやすい対処だ。
氷嚢・保冷剤をタオルに包んで患部にあてる。1回15〜20分を目安に冷やし、長時間の冷却は避ける。冷やすことで血管を収縮させ、出血の広がりを抑えやすくする。
患部を心臓より高い位置に保てる場合は、重力によって血液が患部から流れやすくなるため、内出血の広がりを抑えやすくなることがある。脚の内出血なら横になって脚を高くする、腕の内出血なら腕を上げるといった対処だ。
日常生活での患部への摩擦・圧迫も避けることが回復を助ける。
回復を助ける過ごし方
急性期を過ぎた段階、通常48〜72時間後からは温めることが回復を助けやすくなる。
温めることで血行が促され、溜まった血液の吸収が進みやすくなる。入浴でゆっくり体を温めることが回復を助けやすい。
十分な睡眠・水分補給・栄養を確保することも体の修復を支える。ビタミンCは毛細血管の強化に関与するとされており、食事から意識して摂ることが助けになる可能性がある。
内出血を繰り返さないために
施術者に伝えるべきこと
内出血が出た経験がある方は、次回の施術前に必ず施術者に伝えてほしい。
内出血が出やすい体質・薬を服用している・疲れがひどい日・前回内出血が出た。こうした情報が施術者の判断材料になり、施術の圧・方向・時間を調整してもらいやすくなる。
施術中に痛みや不快感が出た場合も、我慢せずにその場で伝えることが大切だ。施術者が気づかないまま続けることで内出血のリスクが高まりやすい。
施術者選びの見直し
内出血が毎回出る・施術のたびにひどいアザが残る場合は、施術の内容・強さが体に合っていない可能性がある。
内出血が出るほどの強い刺激が必要な施術はほとんどない。前述の通り、深部の緊張は繊細なアプローチでゆるんでいくもので、強さで解決するものではない。内出血が毎回出ることを当然のこととして続けることは体への蓄積として望ましくない。
体の状態を丁寧に確認し・圧の強さを調整しながら施術を進めてくれる施術者を選ぶことが、内出血のリスクを減らす基本になる。
内出血と好転反応・もみかえしの違い
内出血・好転反応・もみかえしは、施術後の体の変化として混同されやすいが、それぞれ異なるものだ。
内出血は毛細血管の破損による出血で、皮膚の下のアザとして視覚的に確認できる。施術の圧が強すぎた結果として起きやすい。
好転反応は、施術によって体の状態が変化する過程で一時的に現れるだるさ・眠気・体の重さで、視覚的なアザとしては現れない。体の回復プロセスとして起きるものだ。
もみかえしは施術の過剰な刺激による筋肉の炎症反応で、筋肉痛に似た痛みとして現れる。アザとしては現れないが、触れると痛い・動かすと痛みが増すという感覚として出やすい。
3つの違いを正しく理解することで、施術後の体の変化に対して適切な対処ができるようになる。

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