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ベンチプレスで肩が痛い原因とケア方法|フォーム・体のアプローチを整体師が解説

ベンチプレスをやめたくない。でも肩が痛い。

フォームを変えてみた、重量を落としてみた、それでもベンチプレスの動作で肩の前面・上部にズキッとした痛みが走る。整形外科で安静を言われた。でも安静にするだけで根本が変わるとは思えない。どこかに原因があるはずだ。

ベンチプレスで肩が痛くなる原因は複数ある。フォームの問題・体の状態の問題・その両方が重なっているケースがある。


目次

ベンチプレスで肩が痛くなる仕組み

肩関節の構造と負荷の特徴

肩関節は体の中で最も可動域が広い関節で、その分安定性が低く損傷リスクが高い部位でもある。骨の噛み合いよりも筋肉・腱・靭帯によって安定させている構造のため、これらへの負担が過剰になると痛みが出やすくなる。

ベンチプレスは大胸筋・前鋸筋・三角筋前部・上腕三頭筋を主に使う種目だが、肩関節への負荷も大きい。特にバーベルを胸に近づけるボトムポジションで、上腕骨が外転・外旋した状態で負荷がかかる。この姿勢で肩の内側の腱・筋肉への圧迫・摩耗が生じやすくなる。

肩のインピンジメント症候群はベンチプレスで起きやすい代表的な状態だ。肩関節の上部にある腱板・滑液包が骨との間で挟まれることで痛みが生じる。腕を上げる動作・水平に伸ばす動作で痛みが出やすい特徴がある。

痛みの出方で違う原因

肩のどこに痛みが出るかで、関係している組織が変わる。

肩の前面・上部が痛い場合は、腱板・肩峰下滑液包・上腕二頭筋長頭腱への負担が関係しやすい。ベンチプレスのボトムポジションで特に痛みが強くなるケースに多い。

肩の前面・胸との境目あたりが痛い場合は、大胸筋・肩関節前方の関節包への負担が関係しやすい。グリップ幅が広すぎるフォームで起きやすい。

肩の後面・肩甲骨まわりが痛い場合は、後部腱板・後方の関節包への負担が関係しやすい。ベンチプレス後に肩後方に鈍痛が残るケースに多い。


ベンチプレスで肩が痛くなりやすいフォームの問題

グリップ幅が広すぎる

グリップ幅が広いほど、ボトムポジションで上腕骨の外転角度が大きくなり・肩関節への負担が増しやすくなる。肩幅の1.5〜2倍程度のグリップ幅が一般的に推奨されることが多いが、体格・肩の可動域・目的によって合うグリップ幅は変わる。

肩が痛い場合、まずグリップ幅を少し狭めることが負担を軽減しやすい試みとなる。

肩甲骨が固定されていない

ベンチプレスでは肩甲骨を後退・下制させた状態をキープすることが肩への負担を分散させるうえで重要とされている。肩甲骨が浮いた状態・固定されていない状態でプレスをすると、肩関節への負荷が集中しやすくなる。

肩甲骨が固定できない背景には、肩甲骨まわりの可動域の低下・菱形筋・僧帽筋中部の弱化が関係していることが多い。ベンチプレス以前に肩甲骨の動きそのものを改善する必要があるケースも少なくない。

バーの軌道・降ろす位置の問題

バーを乳頭のライン付近に降ろすフォームが多いが、降ろす位置が高すぎると肩への負荷が増しやすくなる。バーを鎖骨や肩に近い位置まで降ろすフォームは、肩関節への過剰な伸展が生じやすくなる。

降ろす深さも確認したい。バーを胸につけようとして過剰に深く降ろすと、肩の前方の関節包・腱板への負担が増しやすくなる。肩の状態によっては、胸に完全についていないポジションで折り返す方が肩への負担が少ない場合がある。

肩が前に出るフォームのクセ

プレスの動作で肩が前方にプロトラクション、つまり前に出るクセがある方は、肩峰下のスペースが狭まりやすくインピンジメントが起きやすくなる。

これは意識の問題だけでなく、胸の筋肉の過緊張・肩甲骨の可動域の低下・体幹の安定不足が組み合わさって起きていることが多い。意識で修正しようとしても、体の状態が変わらなければ同じフォームのクセが再現されやすい。


フォーム以外で肩の痛みを引き起こす体の状態

肩甲骨の可動域の低下

肩甲骨が本来の動きを失った状態では、ベンチプレスの動作中に肩関節への負担が増しやすくなる。

肩甲骨の後退・下制がスムーズに行えない体の状態では、フォームを意識しても肩甲骨が動かないため、肩関節への負荷が集中しやすくなる。長年のデスクワーク・猫背・巻き肩による肩甲骨の固まりが、トレーニングのフォームに直接影響していることは少なくない。

胸の筋肉の過緊張と肩のアンバランス

大胸筋・小胸筋が過緊張した状態では、肩が常に前方に引っ張られやすくなる。この状態でベンチプレスを行うと、肩が前に出やすいフォームが固定されやすくなる。

大胸筋ばかりを鍛え・拮抗筋である背中・肩後部のトレーニングが少ない場合、肩まわりの前後のアンバランスが蓄積していく。ベンチプレスが強い方にローイング系の種目が少ないトレーニングプログラムは、このアンバランスをつくりやすい。

体幹の安定不足

体幹の安定が低下した状態では、ベンチプレス中に体全体が不安定になりやすく、末端の肩への負荷が増しやすくなる。

腹圧をしっかり高めた状態でベンチプレスを行うことが、体幹の安定を高め肩への負担を分散させやすくする。ベルトに頼りすぎて腹圧を自分で高める習慣がない方は、体幹の安定を意識したアプローチが助けになることがある。


整体でのアプローチ

肩まわりの筋肉・筋膜をゆるめる

整体でベンチプレスによる肩の痛みに関わるとき、過緊張した大胸筋・小胸筋・前部三角筋の緊張をゆるめるアプローチが中心になることが多い。

縮んで肩を前方に引っ張っている大胸筋・小胸筋をゆるめることで、肩が本来の位置に戻りやすい状態が生まれる。施術後に肩が後ろに落ちた感覚・胸が開いた感覚を体験する方がいる。

肩峰下のスペースを狭めやすい棘上筋・肩甲下筋への繊細なアプローチも、インピンジメント症状の変化につながることがある。

肩甲骨・胸椎の可動域を引き出す

肩甲骨の後退・下制の動きを引き出すアプローチは、ベンチプレスのフォーム改善に直接つながりやすい。

菱形筋・僧帽筋中部への施術で肩甲骨まわりの緊張をゆるめ、肩甲骨が正しい動きをしやすい状態をつくっていく。胸椎の伸展・回旋可動域を引き出すことで、ブリッジを組んだフォームがしやすい状態になっていく。

施術後に肩甲骨を意識したフォームの練習を合わせることで、施術の変化がトレーニングに反映されやすくなる。


トレーニングを続けていいか・休むべきかの判断基準

続けながらケアできる状態

以下の状態なら、負荷を調整しながらトレーニングを続けることができる。

痛みが軽〜中程度で、ウォームアップ後は動きが出る状態。特定のフォームや重量では痛みが出るが、軽い重量では問題なく動かせる状態。トレーニング後に軽いケアで翌日には回復している状態。

この場合は重量・フォームを見直しながら整体・セルフケアを並行させることで、改善のアプローチが進めやすい。


ベンチプレスで肩を痛めないための予防

ウォームアップを丁寧に行うことが予防の基本になる。肩関節まわりのウォームアップとして、軽いウェイトでのフォームチェック・肩甲骨を動かす動作・胸のストレッチを取り入れることが合いやすい。

トレーニングプログラムのバランスを確認することも大切だ。ベンチプレス・フライなど胸・肩前部を鍛える種目と、ローイング・フェイスプル・リアデルト系の種目をバランスよく組み合わせることで、肩まわりの前後のアンバランスが蓄積しにくくなる。

重量の増加を焦らないことも予防につながる。体の状態が変わらないまま重量だけが増えていくと、フォームの崩れが生じやすくなる。同じ重量で安定したフォームが維持できるようになってから重量を上げる流れが、肩への慢性的な負担を防ぎやすくする。


日常でできるアプローチ

大胸筋・小胸筋のストレッチを習慣にすることが直接的なアプローチになる。壁に手をついて体を前に進めるように胸を開く動作を、左右各20〜30秒。入浴後など体が温まったタイミングで行うと変化が出やすい。

フェイスプルに似た動作のエクササイズをウォームアップに取り入れることも助けになる。チューブや軽い負荷を使って、肩を後退・外旋させる動作を繰り返すことで、肩まわりの後部・外旋筋群を活性化しやすくなる。

肩甲骨を後退・下制させるクセをつける練習として、日常でも肩甲骨を意識的に下に引き下げる動作を繰り返すことが助けになる。猫背・巻き肩の状態が日常に続いていると、肩甲骨を固定するベンチプレスのフォームが崩れやすくなる。

ベンチプレスで肩を痛める原因はフォームと体の状態の両方にある。整体で体の状態を整えながら・フォームを見直しながら・日常のケアを積み重ねることが、ベンチプレスを長く続けていくための現実的なアプローチになる。

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【免責事項】
この記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、医療的な診断・治療を代替するものではありません。体型改善・ダイエットを目的とする場合は、医療機関や専門家への相談をおすすめします。体の不調が続く場合は、医療機関への受診を優先してください。
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この記事を書いた人

厚生労働大臣指定・柔道整復師専門学校の提携校、東京MTC学院の整体師・セラピストが監修する、体の悩み専門メディアです。

肩が重い、腰がだるい、顔がむくむ、姿勢が気になる日常の体の不調は、正しく原因を知ることで必ず改善できます。
難しい専門用語を使わずわかりやすくお伝えします。

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