腕立て伏せの一回目、手をついた瞬間にピキンと来た。 四つんばいで子どもを追いかける時、床に手をつくのが怖い。ヨガで手をつくポーズが来るたびに、そこだけごまかしている。
手首を反らせる動きでだけ痛む。曲げるのは平気。ぶら下がっても、そこまで響かない。 この偏り方には理由があります。そこを押さえると、やることが決まってきます。
反らす動きは、手首の甲側が詰まる動き
手首は、前腕の二本の骨と、小さな骨がいくつも並んだ構造でできています。 手のひら側へ曲げると甲側が開き、反らせると甲側が近づいて閉じる。単純な話です。
反らせた時だけ痛むということは、甲側で何かが窮屈になっている。ここに体重が乗れば、圧はさらに強まります。 床に手をついて体重をかける姿勢は、この動きの極端な形。腕立て、四つんばい、ヨガ、赤ちゃんの抱き上げ。全部が同じ角度を要求してきます。
一日のうちで手首を反らせる時間は短く、逆に握ったり丸めたりする時間は長い。使われていない方向は、渋くなる。
痛む場所で、話が分かれる
手の甲の中央、手首の折れ目のあたり。体重をかけた時に鋭く出るタイプ。反らす角度そのものが引き金です。
親指側。親指を動かした時にも痛む、握りこぶしを作って小指側へ倒すと響く。育児中やスマホを長く持つ方に多い場所。
小指側。ドアノブを回す、タオルを絞る、フライパンを返す。回旋する動作で痛むなら、ここが関わっています。
手首から前腕にかけて。指を反らせる筋肉の張りが出ている場合で、肘の外側まで痛むこともあります。
指をさせるくらい場所を特定しておくと、その後の判断がずっと楽になります。
転んで手をついた後なら、話は別
手をついて転倒した後の手首の痛みは、自己判断で様子を見ない方がいい。 とくに親指側の手首が痛む場合、初期の画像では分かりにくい骨折が隠れていることがあります。捻挫と言われて数週間たっても痛みが引かないなら、もう一度診てもらってください。
腫れが強い、変形している、動かせない、しびれる。このどれかがあるなら、その日のうちに整形外科へ。 子どもの手首も同じ。痛がる素振りがあれば早めに確認を。
体重をかける場面で痛む人へ
角度を減らせば、多くの場面は続けられます。
腕立て伏せなら、プッシュアップバーやダンベルを握って行う。手首がまっすぐのまま体重を支えられます。握りこぶしをついて行う方法も、床が硬くなければ選択肢。 四つんばいの姿勢は、肘をついた形に変える。プランクは前腕で支えるタイプへ。
ヨガなら、手のひらの下に丸めたタオルを入れて角度を浅くする。指を大きく開いて、指の付け根に体重を分散させると手首の折れ目への圧が減ります。 赤ちゃんの抱き上げは、手のひらですくうのではなく、前腕全体を差し込む。脇に手を入れて持ち上げる形は、手首に一番きつい。
どれも共通しているのは、反らす角度そのものを浅くすること。痛みを我慢して回数を減らすより、角度を変える方が確実です。
手のひら側が硬いと、反らせない
反らせた時に甲側が詰まる原因のひとつが、手のひら側の硬さ。 指を握り込む筋肉と、手首を曲げる筋肉は前腕の内側に並んでいます。ここが縮んだままだと、反らす動きにブレーキがかかり、その分を関節の甲側が引き受ける。
一日中キーボードとマウスを握り、帰宅後はスマホ。前腕の内側は、縮む方向にばかり使われています。 肘をまっすぐ伸ばし、手のひらを上に向けて、反対の手で指を手前へ倒す。前腕の内側が突っ張る場所で二十秒。これで反らしやすさが変わる方は多い。
肘の内側まで痛みがある場合は、そちらの記事も合わせて見てほしいところ。手首と肘は、同じ筋肉でつながっています。
育児中の手首は、酷使されている
抱っこ、授乳の支え、抱き上げ、ベビーカー。手首を反らせて支える動作が一日に何十回も繰り返されます。 出産後の時期は体の状態も変化していて、同じ動作でも負担の受け方が変わることがある。
抱き上げは前腕で。授乳の時は、腕をクッションに預けて手首で支えない。ベビーカーのハンドルは、握り込まず手のひら全体で押す。 サポーターを使うなら、家事の時間だけなど場面を区切ると、頼りきりにならずに済みます。
痛みが強い、親指の付け根まで響く、朝に指がこわばる。この場合は整形外科へ。育児は待ってくれないので、早めに手を打った方が結局は楽です。
デスクワークの手首
キーボードが高い位置にあると、手首は反らせたまま何時間も固定されます。肘が九十度くらいで、前腕と手の甲が一直線になる高さが目安。 マウスは握り込まず、手のひらを乗せる感覚で。手首を支点にして左右に振る使い方は、前腕を疲れさせます。
リストレストを使うなら、手首の折れ目ではなく手のひらの付け根を乗せる。折れ目を支点にすると、そこで角度が固定されてしまいます。 一時間に一度、手を振って握って開く。ジンジンしてきてからでは遅いので、その前に。
数日でやること
痛みが強い間は、反らせる動作を減らします。床に手をつく運動は一度止める。 熱っぽさや腫れがあるなら冷やす方向で、十分ほど当てて外す。
固定については、加減が要ります。まったく動かさない期間を長く取ると、後で硬さが問題になる。痛む動作だけを避けて、痛みの出ない範囲では動かしておく。 サポーターは、手首の角度を制限するタイプが向く場面もあります。ただし一日中つけっぱなしにしないこと。
痛む一点を強く押すのは避けてください。代わりに、前腕の膨らみに手のひらを当てて軽く圧をかける。ここなら触って構いません。
戻していく時のドリル
四つんばいで、手のひらを床につけたまま体重をゆっくり前後へ動かす。痛みの手前まで。指先を膝の方へ向けたパターンも入れると、伸びる場所が変わります。 机の縁に前腕を乗せ、軽い重りを持って手首を上げ、五秒かけて下ろす。手のひらを下に向けた形と、上に向けた形の両方を十回ずつ。
握らずに動かす練習も大事。指を大きく開いて閉じる、一本ずつ動かす。握り込む力ばかり使っていると、開く側が眠ります。 肩甲骨と胸も動かしておきたい。腕全体の使い方が変わると、手首にかかる分が減ります。
やらない方がいいこと
反らして痛みを確かめる。日に何度もやっている方が多いのですが、確認のたびに詰まる角度を通しています。 痛いのに床について続ける。かばった姿勢が肘や肩へ広がると、話が大きくなります。 強い力でほぐそうとする。守りが固くなるだけ。
痛みが消えた翌日に、元の回数へ一気に戻すのも定番の失敗(泣)。
受診を考えるサイン
・腫れが引かない、熱を持っている ・しびれ、指先の感覚の異常、力が入らない ・動かせる範囲が狭くなってきた ・手首に硬いふくらみを触れる ・転倒や強くひねった後から始まった ・数週間たっても、まったく変化がない
手首は使わない日がない場所なので、痛みを抱えたまま生活すると、かばう癖だけが残ります。 反らす角度を減らす工夫を今日から入れて、それでも変わらないなら、早めに確認してもらう。この順番で進めるのが、いちばん近道です。

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