走り出して数キロ、外くるぶしのあたりがジクジクしてくる。 下り坂で強くなる。コースの後半になるほど気になる。翌朝、階段を下りる時に外側だけが痛む。
足首の外側というだけで、原因はいくつにも分かれます。指をさせるくらい位置を絞ると、やることが決まってくる。
外側には、痛みの出どころが四つ並んでいる
外くるぶしの前の下あたり。捻挫で傷める靭帯がある場所です。過去にひねった記憶がある方は、まずここを疑う。
外くるぶしの後ろから下を回り込むライン。足を外へ返す筋肉の腱が通っています。走行距離が増えた時期に張ってくる場所。
外くるぶしより上、すねの外側の骨。ここを押して狭い一点に強く響くなら、自己判断で走らないでください。
足の外側の縁、小指の付け根から後ろへ数センチの出っ張り。ここも押して痛むなら受診の対象になります。
同じ外側でも、この四つは対応がまったく違います。まずは指で押しながら、どこが一番痛いか確かめてほしい。
古い捻挫が、静かに効いている
外側の痛みで相談に来られる方の多くが、過去に捻挫をしています。しかも、本人はもう治ったと思っている。
痛みが引いて腫れも消えた後、靭帯にある位置を感じ取るセンサーの働きだけが戻り切らないことがあります。 着地のたびに足首がわずかに内へ倒れ、外側の組織が毎歩引き伸ばされる。一歩の差はごく小さくても、一万歩を超えれば話が変わります。
不整地でグラッと来ることが増えた。片足立ちが左右で明らかに違う。走った翌日に外側だけ張る。 この組み合わせに心当たりがあるなら、走り方ではなく足首の反応の方に原因があります。
足を外へ返す筋肉が、働き詰めになっている
すねの外側から外くるぶしの後ろを回って足裏へ向かう腱があります。足首が内へ倒れないよう支え続ける役目。
足首が不安定な方、足のアーチが高く外側で着く癖がある方は、この腱が休みなく働くことになります。 走行距離を一気に増やした時期、トレイルや不整地を走り始めた時期、下り坂の多いコースに変えた時期。こういうタイミングで張ってくる。
押すと痛いのが外くるぶしの後ろから下にかけてのラインなら、この可能性が高い。腫れぼったさをともなうこともあります。
路面の傾きという、見落とされがちな犯人
歩道は、雨水がはけるように車道側へわずかに傾いています。毎回同じ向きで同じコースを走れば、片方の足首だけが外側へ倒れ続ける。
片側だけに症状が出ている方は、コースの走る向きを思い出してみてください。往復で向きを変えるだけで変わった例があります。 トラックを同じ向きに回り続けるのも同じ理屈。左回りなら、右足の外側に負担が寄ります。
土から舗装路へ変えた。下りの多いコースに変えた。こうした変更の後に始まっていないかも確認したい。
靴が原因になっている場合
靴底の外側だけが極端にすり減っている。かかとのホールドが緩く、中で足が動く。ミッドソールがへたって片側へ倒れている。 このどれかに当てはまるなら、靴から手をつける方が早い。
新しい靴に替えて一、二週間で始まった場合も、まず靴を戻してみる。厚みのあるモデルは接地面が高くなるぶん、足首が左右に倒れる余地が増えることがあります。 紐の締め方も見ておきたい。足首側を締めずに走ると、靴の中で足が滑って外側で踏ん張ることになります。
靴底は、走り方の答え合わせをしてくれる資料。捨てる前に、左右を並べて見比べてみてください。
上流にある原因
外側の痛みで、足首だけを見ていても解決しない場合があります。
片足で立った時に骨盤が横へ流れる方は、お尻の横の筋肉が働いていません。上が傾けば、足首はその分を足裏の外側で受け止めます。 股関節が硬くて着地の衝撃を吸収できない場合も、下へ押しつけられる。
片足立ちを二十秒、鏡の前でやってみてください。足首がぐらつくのか、骨盤が流れるのか。骨盤が動いているなら、足首まわりをいくら整えても再発します。
自己判断で走らない方がいいサイン
・骨の際を押すと、狭い一点に強く響く ・腫れが引かない、熱を持っている ・体重をかけると鋭い痛みが走り、歩き方が変わる ・しびれ、足先の感覚の異常 ・走るたびに痛みが強くなり、休んでも同じ強さで戻る ・外くるぶしより上、あるいは足の外側の出っ張りに圧痛がある
最後の項目は、骨の問題が隠れていることがあるため、走らずに整形外科へ。ここで粘った結果、シーズンを丸ごと失った方を見ています(泣)。
痛みが出た週にやること
走行距離を落とす。ゼロにする必要はありませんが、痛みが出る距離の手前で止める。 下り坂と不整地を、当面は外す。外側にとって一番きつい条件です。 コースの傾きを変える。往復で向きを入れ替える。トラックなら回る向きを交互に。
帰宅後は、すねの外側から外くるぶしの上あたりに手のひらを当てて、軽く圧をかける。腱そのものではなく、上の筋肉の膨らみへ。 熱っぽさがあれば冷やす方向で、十分ほど。
痛みが引くまで、片足立ちとお尻の横の運動だけは続けておきたい。走らない期間に入れておくと、戻った時の安定感が違います。
外側を守る、三つの運動
チューブか輪にしたタオルを足にかけ、足首を外へ開く動きに抵抗をかける。二十回ほど。足を外へ返す筋肉が働きます。ゆっくり戻すのがコツ。
横向きに寝て、上の脚を斜め後ろへ持ち上げる。お尻の横が働く感覚が出れば正解。二十回。
片足立ち。まず二十秒、慣れたら目を閉じて十秒。さらにクッションやたたんだタオルの上で。不安定な足場では足首が細かく働き続け、それが訓練になります。
どれも合わせて五分かかりません。走った日の夜より、走らない日に入れる方が続きます。
テーピングとサポーターの位置づけ
不安定さが残っている時期に、外側への倒れ込みを抑える目的で使うのは理にかなっています。 ただし、外す時期を決めずに使い続けないこと。支えられている間、足首は自分で反応する必要がなくなります。
レースや不整地を走る時だけ、あるいは復帰の初期だけ。場面を限定して、片足立ちが安定してきたら外していく。 巻き方が分からないまま自己流で強く締めると、血流を妨げることがあるので、そこは店舗や医療機関で教わってほしい。
走りに戻る時の段取り
痛みなく普通に歩ける。階段の下りで痛まない。片足立ちが安定する。片足で軽く跳んで着地でぶれない。 ここまで通ってから、平坦なコースでゆっくり短く。
翌朝に痛みが出なければ、少しずつ時間を足す。下り坂と不整地は最後に戻します。 途中で痛みが出たら、一段前へ。この上り下りを繰り返しながら進むのが普通の経過です。
外側の痛みは、足首が内へ倒れる回数の合計で出てきます。 倒れにくくするか、倒れる条件を減らすか。傾いた路面を走る向きを変えるだけで消えた人もいる。まずは今週のコースと靴底を、見に行ってみてください。

コメント