ひねった翌日、外くるぶしのまわりが紫に染まってきた。 腫れてはいるけれど、びっこを引きながらなら歩ける。歩けるということは軽いのか、それとも青あざが出ている時点でまずいのか。
判断に迷って調べている方に、先に伝えたいことがあります。 歩けるかどうかは、損傷の大きさを測るものさしになりません。そして、内出血が出ているという事実には、意味があります。
歩けるのに、軽いとは限らない
足首のまわりには複数の靭帯と腱があり、一部が傷んでも残りが仕事を肩代わりします。だから、体重をかけて歩けてしまう。 骨にひびが入っていても歩ける場合があるほどです。
歩けたから大丈夫、と判断して普段どおり生活し、二週間後にまだ腫れが引かず相談に来られる。この流れを何度も見てきました。 最初の数日をどう扱うかで、戻るまでの日数が倍近く変わります。歩けるうちに正しく扱った方が、結果として早い。
内出血が出ているということ
あざは、組織の中で出血が起きた証拠です。靭帯が伸びただけでなく、細かい血管が切れる程度の力が加わったことを示しています。
軽い捻挫でも、うっすら色が変わることはあります。ただ、広い範囲に紫色が広がる、腫れとともにぶよっとした感触がある。この場合は、それなりの力がかかったと考えた方がいい。
出たか出ないかより、広がり方を見てください。手のひらほどの範囲に濃く出ているなら、一度診てもらう理由になります。 受傷直後にはなくても、翌日から二日後にかけて出てくるのが普通の流れ。当日に見えなかったからといって、軽いとは限りません。
あざが下へ降りてくるのは、経過の一部
数日たって、足の甲やかかと、足の指の方まで色が広がることがあります。ひねったのは外くるぶしなのに、なぜそんなところまで、と驚く方が多い。
重力で下へ移動しているだけで、悪化したわけではありません。色も、紫から緑、黄色へと変わっていきます。 心配しなくていい変化と、確認が必要な変化を分けておきたい。
色が広がる。これは経過。 腫れが日ごとに大きくなる。痛みが強まる。熱を持つ。ドクドクと脈打つ感じが続く。これは確認が必要です。
受診を考える六つのサイン
・くるぶしの骨の際を押すと、狭い一点に強く響く
・足の外側の出っ張りや、内側の骨の出っ張りを押すと痛む
・体重をかけると鋭い痛みが走り、数歩しか歩けない
・見た目に変形がある
・しびれ、足先の色の変化や冷たさ
・子どもの捻挫
このどれかがあるなら、整形外科へ。骨に問題があるかどうかは、押した感触や見た目だけでは分かりません。 医師は、こうした骨の場所を押して確かめ、必要なら画像で確認します。歩けるかどうかも判断材料の一つですが、それだけで決めているわけではない。
骨に問題がないと分かってから進める方が、余計な心配を抱えずに済みます。
最初の三日でやること
冷やす。保冷剤や氷嚢をタオルで包んで、十分ほど当てて外す。時間をあけて、また当てる。 圧迫する。弾性包帯を、足の先の方から巻き上げていく。きつく巻きすぎて指先の色が変わるようなら緩めてください。 高く上げる。座っている時は椅子をもう一脚使う。寝る時はクッションを足元に。心臓より高い位置が目安。
内出血が広がるのを抑えられるかどうかは、この三日で決まります。 一方で、まったく動かさない期間を長く取るのは避けたい。痛みの出ない範囲で足の指を動かす、足首をそっと上下させる。この程度は初日から続けます。
あざを、揉んで散らそうとしない
内出血を早く消したくて、もんだり強く押したりする方がいます。これは逆効果。 出血が起きている場所へ力を加えれば、範囲が広がることもあります。
温めるのも、最初の数日は避けたい。入浴で長湯した後に腫れが増した、という話はよく聞きます。シャワーで済ませるか、短めに。 色を早く消す方法を探すより、腫れを広げない方に力を注いだ方が、結果的に早く薄れていきます。
歩き方が、その後を左右する
歩けるからといって、普段どおりに歩かないこと。
痛みをかばって外側を引きずるように歩くと、その癖が残ります。足首が治った頃に、膝や腰が痛み出す方がいるのはこのため。 歩幅を狭くして、足の裏全体でそっと着く。急がない。階段は手すりを使い、下りは一段ずつ。
痛みが強くて歩き方が明らかに崩れるなら、無理に歩かない判断も必要です。松葉杖を借りる、移動を減らす。数日の不便で済む話です。
靴も見直したい。かかとが安定して、紐やベルトで足首側を留められるもの。サンダルやゆるい靴では、足首が中で泳ぎます。
腫れが夕方に戻るのは、なぜか
数日から数週間、夕方になると足首がふくらむ。これはよくある経過です。 立っている時間が長いほど、水分は下へたまります。日中に働いて、夜に戻る。そういうリズム。
寝る時に足を少し高くしておくと、翌朝の状態が違ってきます。 日中も、座れる時間に足を台へ乗せる。足首を上下に動かす回数を増やすと、ふくらはぎのポンプが働いて戻りやすくなります。
痛みが引いても、終わりではない
歩けるようになり、あざも薄れてきた。ここで終わりにする方が多いのですが、まだ途中です。
靭帯には、関節の傾きを感じ取るセンサーの役目があります。捻挫でそこが傷むと、痛みが消えた後もその働きだけ戻り切らないことがある。 段差でグラッときた時に立て直す反射が鈍ったまま生活へ戻れば、次の捻挫までの距離が短くなります。
片足立ちを二十秒。安定したら目を閉じて十秒。これが通るかどうかが、本当の意味での目安。 繰り返している方は、ここを飛ばしてきた可能性が高い。
経過の見方
痛みと腫れは、日ごとに範囲が狭くなっていくのが通常の流れ。あざは一、二週間かけて色を変えながら薄れていきます。
軽度なら二、三週間で日常が戻ることが多く、部分的に切れている場合は一か月以上かかります。 歩ける、階段が下りられる、つま先立ちができる、片足立ちが安定する。この順番で通していくと、自分の位置が分かります。
一か月たっても腫れが引かない、痛みが同じ強さ、体重をかけると不安が残る。この場合は粘らずに確認を。
今日の判断
内出血が出ていて、歩けるけれど痛い。この状態でやることは三つです。 骨の際を押して、狭い一点に響く場所がないか確かめる。あれば受診。 なければ、冷やして圧迫して足を高くする。今日と明日は、この三つだけで構いません。 そして、歩く時は歩幅を狭くして、足裏全体でそっと着く。

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